2012年4月16日月曜日

小説 広島の女 真理の夜 第5回

真理は桜が散った広島平和記念公園を歩いていた。元安川のほとりのベンチに座って回りを眺めるとアベックばかりである。
「私は散って行く桜のようにこのまま散るのだろうか。真っ平ごめんだ。必ず大きく咲くぞ」
 心でこう誓うのだが、なすすべはない。
またいつものように歓楽街の居酒屋となった。
真理はため息をつきながら、
「ああ、またいつものパターンか」
 と心の中でこう呟くのだった。
しかしこうするしかほかにする事はない。
チュウハイを飲んでいると、元気が出てくるのだった。

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