2016年3月18日金曜日

モンティーミヨシ小説:花の女子アナ光と影:第1回:新連載

 民放東京キー局の花形女子アナ野路由紀子は入社五年目にして所属する局のエースと呼ばれるようになっていた。
 
 週刊誌にも由紀子の生活は紹介され、人々の羨望の的になっていた。

多くの女子大生は、

「私も将来野路由紀子のようになりたい」

 こう言うのである。

由紀子は、

「楽じゃないよ、やめたほうがいい」

 心の底でこう叫ぶのだった。

「華やかな世界ほど、舞台裏は恐ろしい怪物が潜むすごい世界だよ」

 こうも。

「女子アナは競馬の競走馬のようなもの。走り続けなきゃあいけないのよ」

 野路由紀子は入社以来辛かった社会人人生を思い出していた。

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